考えたこともないかもしれないが、人間の脳は「決断を下すためのシステム」をすでに持っている。

このシステムは、刻々と私たちの「思考、行動、感情」を一定の方向へと推し進め、あなたの価値判断をコントロールしている。そして、その大部分は「無意識の領域」に属する。

恐ろしいのは、このシステムを自分の手で設定したことがない人が大半だとということだ。実は知らないうちに、親、友人、教師、テレビ、コマーシャル、文化といった環境によって、システムが勝手に設定されてしまっているのだ。

アンソニー・ロビンズの運命を動かす (単行本)

アンソニー・ロビンズの運命を動かす (単行本)

  • 作者: アンソニーロビンズ,Anthony Robbins,本田健
  • 出版社/メーカー: 三笠書房
  • 発売日: 2014/03/14
  • メディア: 単行本
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 私は自己啓発には懐疑的というか、どちらかというと否定的だが、それらの中では良いと思うのが彼のシリーズだろう。まぁコーチングという分野は自己啓発とは少し異なるが。

一時期流行ったスピリチュアル系(ポジティブ・シンキング、引き寄せ、アセンション等)の自己啓発に関しては完全に否定的である。ここでは具体的な名を挙げないが、大概の自己啓発本やビジネスはニューソートやニューエイジ運動の流れを汲むものだ。それらについてはまだ勉強不足の所もあるが、禁欲、勤勉主義のカルヴァン主義への反発から生まれた運動だそうな。

あくまで私の個人的な見解だが、それらのスピリチュアリズムが米国発で流行した背景には、どうしようもなく広がった経済格差に一因がある気がしてならない。格差が広がるところまで広がると遅かれ早かれ、国家や社会システムは崩壊する。だがそれは支配者層の望むところではない。ではその格差社会を維持するために、被支配者層(特に労働者)のモチベーションを維持するにはどうすればいいか。そこに、ポジティブシンキングや引き寄せの法則などのスピリチュアリズムや自己啓発に対する需要と供給のカラクリが見えてくる。つまり、絶望的格差社会という現実からいかに人々を逃避させられるかだ。

これは日本における鎌倉時代の浄土信仰の流布に近いものがあると考えられる。今が絶望的でも信じればあの世で天国だ、と。今が貧乏でも金持ちの生活をイメージすればお金が引き寄せられる、と。コップに水が半分しかなくても、まだ半分もあると思えば幸せになれる、と。

この話は長くなるので、本題に入ると、要は自己啓発だろうが宗教だろうが、玉石混合ですよ、ということだ。ではその玉と石を見分けるための自分なりの基準、考えや観察眼を持っているだろうか。それがなければ、様々な自己啓発ビジネスや宗教ビジネスに散々にたらい回しにされ、尻の毛まで抜かれて鼻血もでねぇ状態になりますよ、ということだ。

これは投資においても然りである。何となく儲かりそうとか、値ごろ感でなんとなくでポジションをとっても一時的にはうまくいったように見えても、気づけば口座がスッカラカンだっととうことにもなりかねないのである。

自己啓発本の私なりの玉石を見分ける基準などについてはまた別の機会に書き留めておきたい(普段は論理的に判断しているわけではなく、違和感などで瞬時に峻別しているが。)